自由なカードと自由人 [*SHANGHAI/SHENZHEN 2007]
スウェから香港よりみちの旅のおはなし/その3
朝がゆを食べたかったのに、3日間ともお昼まで起きられず、
一度も朝がゆを食べることはなかった。
お昼過ぎにもそもそと起き、顔も洗わず街へでた。
静かな毎日からのギャップ。
すべてが襲いかかってくるような感覚になる。
できるだけ、人の少なそうな道を選ぶ。
そんな香港の街でミツケタヨ、Panda.
背中にPanda.
Panda.をはずして ウェストポーチ
ポシェットにも変身 ポーチの中は笹色
ジッパーのつまみは 笹
タグもかわいーPanda. Panda.Panda.
Panda.ちゃん♡
かわいぃってさわさわしたら、自由人が買ってくれるという。
自由人がカードを差し出す。
店員さんが機械に通す。
小さな店内に寂しく響く、「ピー」音。
もいちど店員さんが機械に通す。
小さな店内に寂しく響く、「ピー」音。
使えない?
いや、使えてたよね?
ずっと使えてたでしょ?
どして?
店員さんが申し訳なさそうに、
このカードは使えないようね、と、自由人を見て小さな声でいう。
店員さんと自由人がきむたこをじっと見る。
きむたこ、自分のカードを出す。
カードはあっさり通った。
きむたこカードで支払い完了。
自由人が買ってくれる、食べさせてくれる、
なんていった時ほど、寂しい結末がもれなくついてくる。
場所が変わってもそれはかわらないようだ。
お店をでて、カードを眺めながら自由人、
「どしてかな、ボクが払うよっていうといつも使えないね、このカード。」
「どうしてかな?」
・・・、その理由、きむたこがいちばん知りたいよ。(涙)
カードのご機嫌をうかがうべく、
街角のキャッシュコーナーで試してみる自由人。
問題なし。
お買い物ができるか街角でビールを買う自由人。
問題なし。
おろしたキャッシュを「使えるね、カード。よかったー。」
と、いいながら、自分のお財布に入れる自由人。
買ったばかりのよく冷えたビールをぷしゅー。
買ってくれるんじゃなかったの?Panda.のリュック?
おろしたキャッシュで返してくれるんじゃないの?
なに、ゆくーりビール飲んでるの?
いろんな疑問がアタマの中でクルクルする。
きむたこ、なんか間違ってる?
自由人、健在。
カードまで自由だ。
きむたこも欲しい、そんな自由なカード。
人生、明と暗。
きむたこ、まだまだこれから。
まだまだこれから?
チーン。
それでも、つづく。